【日本代表】年内最後のトレーニングキャンプを終える

11月30日(月)から千葉県・高円宮記念JFA夢フィールドで行われていたフットサル日本代表候補合宿は、本日全日程を終了しました。
 
最終日にはフウガドールすみだとのトレーニングマッチが行われ、接戦を制したフットサル日本代表候補が3-2で勝利を収めました。。キャンプ中のFリーグ所属各選手、トレーニングマッチを終えたフウガドールすみだ・須賀雄大監督のコメントを紹介します。
 

トレーニングマッチ
フットサル日本代表候補 3-2(1st:1-1)フウガドールすみだ

 

<トレーニングキャンプ2日目コメント>

皆本晃選手(立川・府中アスレティックFC)
―自チームは9戦無敗、自身も3試合連続で得点を決めていますが、好調を支える要因はありますか?
「個人としては「膝が痛くない」ということに尽きます。年齢もありますが元々膝に問題を抱えているので、膝のコンディションが良ければ今のプレーは自分としては普通です。ただ、コンディションが悪い試合が増えてしまっていたので、しっかりと整えて1試合でも多く試合をできるようにしたいと思っています。なので、今が好調というより、普通のプレーができているという感覚です」
 
―代表チームの中軸でありベテランの領域に入ってきていますが、自身のプレースタイルやチーム内での役割の変化はありますか?
「多少感じていなくはない、という感覚ですね。自分がすべてをやる必要はない場面もあります。クラブと代表では大きくは変わらないですが、やはり役割の違いがあります。クラブでは若い選手が出てきていて、やっと自分が全部をやる必要がない環境になってきました。自分が全部やると疲れてしまうので、大事なところで体力を残すために分担しながら。あとは、ディフェンスをしっかりとやらないと勝てないのでそこには以前よりもフォーカスしています。自分が点を取ることもそうですが、相手のピヴォを押さえることのほうが大事かな、と思っています。自分のファーストチョイスが点を取ることやいいゲームをすることよりも、相手のピヴォなどに仕事をさせないことになったというマインドの変化はあります」
 
―今回のキャンプには中軸ではない選手が半分ほど選ばれていますが、3月のAFCフットサル選手権に向けて彼らへどのようなアプローチをしていますか?
「正直、選手の中では誰が中軸で誰がそうではないという感覚はないと感じています。代表チームとしてはクラブチームとの練習試合が組まれているので、その試合に向けて、そして最終予選にこのメンバーで勝つための準備をしているという感覚です。中軸に入るためにとか、若い選手だから、という扱いでは声がけはしていません。ただ、試合に勝つために全員の力が必要なので、勝つためにはこうしたほうがいい、こういうプレーがいいんじゃないかという形でのアドバイスや会話はしています」
 
矢澤大夢選手(バサジィ大分)
―監督が最終メンバー2、3人のGK枠に対して5、6人で争っている状況を“嬉しい悲鳴”と話していましたが、この争いに勝ち残るためには何が必要だと感じていますか?
「クラブで活躍するのはもちろんですが、代表合宿に選ばれた時により連携の取れたプレー、例えばクリアランスや守備時のコーチングなど自分のベストプレーをどれだけチームに溶け込んで出せるかではないかと思います」
 
―代表候補に何度か選出されている中で自身の状態の良さや力を出せている部分。また自分で課題に感じているところは?
「自分自身はシュートストップに自信を持っているので、そこは代表でもきちんと力を出せていると思います。自分の課題は、大分ではロングボールをよく使うので自分からのスロー、ロングボールを多用しますが、代表ではショートパスが主流なので、その使い分けが難しいところです。それをできるだけ代表活動期間中に馴染んで、プレーのクオリティを上げていけるように頑張っています」
 
―先週の湘南ベルマーレ戦ではしっかりとプレスも利き、3-0と完勝でした。その前の試合が延期となりましたが、試合間が空いたことでの影響はありましたか?
「個人的には1週間空いたことは、特に気にはなりませんでした。チームとしては、若手などはリズムが崩れるとコンディションの持っていき方が難しかったのではないかと思います。ただ、本来であれば試合があったはずの土曜日に紅白戦を持ってきて、そこに向けて試合と同じようなリズムで1週間の練習をしました。できるだけリズムが狂わないように監督も練習メニューを考えてくれたので良かったと思います。さらに1週前の北海道戦では5-4の打ち合いとなり、守備の乱れがあったので、2週間かけて細かいところを修正できたことも湘南戦の無失点につながったのではないかなと思っています」
 
水谷颯真選手(名古屋オーシャンズ)
―代表チームにおいて、自分の良さとはどこだと感じていますか?
「今の代表チームには左利きのアラが少ないので、裏に通すパスや、ピヴォに当てる場面はすごく意識しています。それと武器の一つがスピードだと思っています。(同じ左利きの)加藤未渚実選手はドリブルでもダブルタッチなどを使ってスルスル抜けていきますが、僕はそんなに技術に自信はありません。ですが、スピードを生かして相手を置き去りにできると思うので、そこで違いを見せられたらと思います」
 
―先週のY.S.C.C.横浜vsシュライカー大阪の試合で、大阪は仁井貴仁選手のアシストから齋藤日向選手がゴールを挙げました。そのプレーを対戦相手でFリーグ選抜の同期だった北野聖夜選手はとても悔しがっていました。Fリーグ選抜は若手選手の育成・強化やフットサル日本代表に選手を輩出することを目的に活動していましたが、同期の活躍や、代表に選ばれている伊藤圭汰選手はどのような存在ですか?
「1人1人がライバルという感じはあります。伊藤選手とは代表活動の中で同じセットでプレーすることはあまりありませんが、僕個人としては一緒にプレーしたいとは思っています。齋藤選手と仁井選手の(連係から生まれた)ゴールも自分にも活力になりました。三笠選手や鬼塚選手の活躍も見ていますが、自分も負けられないな、と燃えるような思いがあります。齋藤選手のゴールはF選抜時代の湘南ベルマーレ戦でのゴールにも近いゴールだったので、自分としてもうれしい気持ちと負けられないという気持ちがあり、お互いを高め合っていけるような存在だと思います」
 
―以前はまだ代表に「学びにきている」という感じでしたが、意識の変化はありますか?
「クラブと代表は監督が違うので、話すことも戦術も変わってくることもありますが、自分自身が合宿に3回参加して名古屋と共通するところがあると感じています。特に意識の変化はないですが、代表監督は「こうしたほうがいい、ああしたほうがいい」と教えてくれるので、そうしたことを名古屋でもどんどん生かしていきたいと思います。学びにきているわけではないですけど、そうやって良さを出せたらと思います」
 

<トレーニングマッチ終了後コメント>

星翔太選手(名古屋オーシャンズ)
―名古屋は吉川選手、星龍太選手を欠いている状態で、イレギュラーな日程で公式戦が1カ月ほど空いたこともありました。新しくペネジオ選手も加入し、現在のチームの状態はいかがですか?
「重要な2人が抜けてしまったことはチームにとって間違いなく痛手で、日本代表で考えても大きな痛手だと思います。名古屋は勝つことを使命づけられているクラブなので、その2人がいなくてもまた違った個性を持った選手がいて、若い選手も間違いなくタレントを持っています。なので、そういった違う武器で試合に臨めています。ただ日程が特殊なので、例年は常に試合があり疲労も溜まった状態で試合をしますが、直近2試合に関しては試合勘や試合になじむ速度のテンポが少し合わず苦しみました。とはいえペネジオ選手も加入し、ピッチの中では常に競争が起きているので、少し時間はかかったとしても大きな問題になることはないですし、次戦でよりよい状態の試合が見せられるのではないかと思います」
 
―代表ではキャプテンマークを巻いてトレーニングマッチに出られましたが、どのような手応えがありましたか?
「前回のメンバーとほぼ変わらなかったので、メンタル的にも自信を持って臨めた試合だったと思います。それと同時に、試合には勝ちましたがもっと得点できるシーンや落ち着かせられるシーンもありました。全体的には自信を持って終えられた合宿でしたが、本大会に向けてもっと改善しないといけないな、と思います」
 
―誰もが経験したことのない状況の1年となりましたが、選手経験、代表経験が豊富な星選手から見てこの1年はどんな1年でしたか?
「特殊な年、誰にとっても難しい年だったと思います。代表では監督もよく言うのですが「まず目の前のことに全力で取り組む」。もちろん目標はありますが、その目標が後ろになろうが前になろうが常に準備をしていれば大丈夫だというのを全員が共通認識として持っています。そういった部分でのブレはありませんが、強化の部分ではクラブチームに二度負けているので、苦しみはもちろんありました。最終的に少しずつ上がって最終日のトレーニングマッチの結果につながったのではないかと思います」
 
安藤良平選手(名古屋オーシャンズ)
―再三延期となっているAFCフットサル選手権が3月末から開催されると発表されました。コンスタントに代表に選出されている安藤選手から、改めてAFCへの思いを教えてください
「世界的にもイレギュラーなことが起こり続けているシーズンではあり、そういった状況にも動じないメンタルは準備できているつもりです。ですが、3月に日程が決まったということで、代表チームとして進んでいくターゲットが明確になったので、まずはそこに向かい前に進んでいけていると思います。個人的にはありがたいことに選んでもらえているので、このポジションを他の選手に渡さないように日ごろから積み重ねて成長していきたいと思います」
 
―国内クラブとのトレーニングマッチが続きましたが、守備やゲームコントロールの課題はいかがでしょうか?
「守備に関してはチームとして行うことは変わっていないのですが、守備は代表の生命線となってくると思うのでその流れで失点しまうとメンタル的にきつくなってしまうのかな、と思います。まずはチームが勝つことが一番大事で、今回のトレーニングマッチでも難しい展開の中勝てたことが一番ですがその中でも1人1人が細かい部分や次の活動に向けて改善していかなくてはならない部分があると思います。僕は後ろにポジションに取ることが多いので、守備に関してはうるさいくらい指示を出して前の選手が勢いよく守備にいけるような声掛けをしていければと思っています」
 
―日程の関係で試合間が1カ月空きましたが、久しぶりの公式戦はいかがでしたか?
「リーグ戦がいいテンポで行われていないと感覚の部分で、ストレスがかかったりうまくいかないことがあったりしたな、と試合を振り返ると思います。フウガドールすみだ戦ではかみ合わない部分や試合勘のなさが細かいミスにつながってしまった感じがありました。そうならないように練習もしてきましたが、やはり練習と試合は別物で色々な負荷もかかり難しいと感じました。ただ、一番大切な勝点3と取り続けられていることが今の名古屋の強さにつながってくると思います。うまくいかないことや相手の流れになることはどんな試合でも必ずありますが、そういう時に自分たちのやるべきことに立ち返る冷静さは常に持って僕自身プレーできていると思います」
 
須賀雄大監督(フウガドールすみだ)
―トレーニングマッチを終えての感想を教えてください
「まず、素晴らしいアリーナで素晴らしい相手と試合ができ、非常に光栄です。フウガドールすみだがFリーグに参入したタイミングで、すみだの選手たちとテレビでAFCフットサル選手権を観ていました。そして敗退する姿を目の当たりにしました。やはり自分たちがFリーグに上がってからは、フットサル日本代表の結果がより自分事化され、自分たちにも大きな責任があると感じるようになりました。それ以降は日本のフットサルを強くするために自分にも何かできることがあるのではないか、という気持ちで代表の活動を応援してきたつもりです。選手を送り出すだけではなく、自分たちがFリーグの中でいいチームになればそれだけ対戦するライバルの選手も成長する。そのようなことも含めて活動してきたという思いがあります。なので、そういった代表チームと対戦できるというのは自分にとって、モチベーションが上がる出来事でした。ずっと活動を見てきた代表チームなので、どういうフットサルをするかも頭に入っていて、自分が代表と試合をするならこういう風に戦う、というイメージがしっかりとあった中での対戦になりました。選手たちは素晴らしい相手に対して最後まで勝敗が分からないゲームを繰り広げてくれましたし、最近なかなか出場機会が得られていない選手を長い時間起用することもでき、その中で最低限のゲームが作れたので、チーム内で競争をしっかりしていく意味で非常に大きな意味を持つ試合だったと思います。ただ、最後の最後で逆転されてしまった点は、ここ数試合のリーグ戦で強豪相手に続いている詰めの甘さを払拭できていないということだと思います。チームとして、選手個々として、しっかりと成長していかないといけないと思っています」
 
―田口選手が追加招集されましたが、対戦相手として見た田口選手の評価は?
「トレーニングマッチでの田口の出場時間はそこまで長くありませんでしたが、しっかりと集中してウォーミングアップをしていたり、出場選手に声をかけていたりする姿を目にしました。中堅の年齢である彼は、プレーはもちろんのこと、戦う雰囲気を作ることも求められていると思うので、そういった仕事をしっかり着実にこなしているという側面が見えました」
 
―JFA夢フィールドという恵まれた環境でトレーニングマッチを行った感想は?
「自分たちがトレーニングマッチを終えて帰るころに、サッカーのアンダーカテゴリーの選手がトレーニングをしていました。同じ場所で色々なカテゴリーの選手が日の丸を背負ってトレーニングをすることは、お互いにとって刺激になると思います。今はまだないかもしれませんが、カテゴリーや競技が違う中でもお互いの競技から得られる有効なものはあると思うので、横のつながりができていくと日本独自の選手育成ができていくのではないかと思います。アリーナも素晴らしかったですし、素晴らしいサッカーのグラウンドも何面もあり、これからフットサル、サッカーを問わず日本代表を目指す選手にとってはこれ以上ない環境だと思いました。実際に自分もこのような場所に関われる選手をバックアップしていきたいと思っています」
 
フットサル日本代表の情報は公益財団法人日本サッカー協会公式サイト