史上初の4冠達成!名古屋オーシャンズの戦いを振り返る

2015年3月15日(日)、国立代々木競技場第一体育館(東京)で行われた第20回全日本フットサル選手権の決勝で、デウソン神戸を1−3で下した名古屋オーシャンズが大会3連覇を成し遂げた。このタイトル獲得により、前人未到のシーズン4冠を達成している。名古屋は今シーズン、2014年5月に小田原アリーナで開催された~北條初夏の陣 wz WARRIOR~ Fリーグ オーシャンカップ2014 in 小田原アリーナ、2014年8月に中国で開催されたAFCフットサルクラブ選手権、そして今年3月1日(日)に幕を閉じたFリーグ2014/2015 powered by inゼリーの3つのタイトルを既に獲得していた。しかし、全日本フットサル選手権を含め、どの大会もこれまで以上に苦しんだ末のタイトル獲得だった。

 

◆苦戦続きのカップ戦を制し5連覇
オーシャンカップは、前年度の優勝チームということでシードにより準々決勝から出場した。しかし、準々決勝では前年に行われた第14回FUTSAL地域チャンピオンズリーグ第3位チームとして出場したミキハウスフットサルクラブを相手に苦戦。点の取り合いとなった試合はシーソーゲームとなるも、名古屋が8-6で制して勝ち上がった。続く準決勝のシュライカー大阪戦も苦戦は続く。前後半を終えてのスコアは3−3。試合時間残り28秒で同点に追いつかれたものの、延長戦では地力の差を見せつけ7-4で勝利した。そして迎えた決勝の相手は、ペスカドーラ町田。終始リードする展開ではあったものの、粘る町田に苦しめられる。それでも最後は逃げ切り、4−3の1点差ゲームを制して大会5連覇を達成した。

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◆3シーズンぶりのアジアタイトル
AFCフットサルクラブ選手権でも苦難は待っていた。グループステージは2試合で突破を決め、準決勝もダビリ・タブリーズ(イラン)を6−2で下すなど決勝に駒を進めた。ここまでは順調な戦いぶりを見せていた名古屋だったが、決勝のチョンブリ・ブルーウェーブ(タイ)戦で、再び苦難が待っていた。序盤からチョンブリ・ブルーウェーブに主導権を握られる展開も、逆転に成功。しかし、終了間際に失点し同点に追いつかれる。延長戦にもつれ込んだものの、最後は勝ち越しに成功して5−4で勝利。一筋縄ではいかないアジアの大会も制し、2度目の優勝を成し遂げた。

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◆最も苦しんだリーグ戦
Fリーグでは、序盤戦から苦しい展開が続く。代々木セントラルとして行われたシュライカー大阪戦、府中アスレティックFC戦では連勝を飾るも、第3節で町田相手に敗戦。第7節で首位の座を奪い返すも、第18節ではバサジィ大分に首位の座を明け渡してしまう。それでも、第19節・第20節の北海道セントラルで再び首位に立つと、そのまま定位置を譲らずにシーズンを終えた。プレーオフFinal Roundでは、勝ち上がってきたリーグ戦順位5位の大阪と対戦。1戦目を引き分けると、2戦目では大阪の前に敗れ延長戦にまで突入。苦しみ抜いたものの、延長戦は2−0で勝利し、8連覇を達成した。選手や監督が「ほっとしている」と試合後に語った様に、苦しんだシーズンだったと言えよう。

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◆簡単ではなかった4冠達成
全日本フットサル選手権でも苦しい戦いは続いた。1次ラウンドをシードされ決勝ラウンドから登場した名古屋。初戦の相手はリーグ戦順位2位ながらプレーオフで敗退した大分が相手となった。先制しながらも一進一退の攻防が続きタイスコアのまま終盤へ。しかし、相手のオウンゴールでなんとか勝利を飾る。続く準決勝は年間順位3位のバルドラール浦安。先制を許す展開となったが、すぐさま逆転し逃げ切って勝利した。そして迎えた決勝の神戸戦。この試合は、前半はスコアが動かず、後半に先制しても、すぐに追いつかれるという緊迫した展開で進む。それでも2点を追加し逃げ切った名古屋は大会3連覇を達成。前人未到のシーズン4冠を達成した。
「実力伯仲」、「群雄割拠」と言っても過言ではない今シーズンのFリーグであった。結果だけを見ると、名古屋が今シーズンもリーグ戦のみならず全タイトルを総なめにした。しかし各チームと名古屋の実力差は埋まってきており、来シーズンはより一層マークが厳しくなるだろう。その中でも絶対王者がどんな戦い方を見せてくれるのか、来シーズンのFリーグにも注目してもらいたい。