Fリーグ2014/2015シーズン COO総括

“Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー”は、新たに“ヴォスクオーレ仙台”、“フウガドールすみだ”の2クラブが参入し、全12クラブによる3回戦総当たりのリーグ戦(全33節198試合)、プレーオフを2014年6月27日~2015年3月1日の間、スポンサー、関係者、なによりFリーグ/フットサルファンのみなさまにご支援いただき、開催することができました。
また、各クラブの会場、セントラルでのリーグ戦に加え、リーグカップ(オーシャンカップ)、プレーオフも多くのみなさまにご観戦いただきました。ありがとうございます。
初めて名古屋から離れての開催となったオーシャンカップ。湘南ベルマーレお膝元の小田原市をはじめとする2市8町のみなさまに大きくサポートしていただき、手作り感、地元色ある大会となりました。

会場に足を運んでいただいた方は、リーグ戦、プレーオフ、カップ戦を含む276,240人で対前年シーズン5.8%増となりました。しかし、1試合当たりの観客数は、1,390人と15.3%減。「これぞフットサル!」と言った技術レベルの高い試合、オフィシャルソング“TRICKSTER”などのエンターテイメントもあり、大きく2,000人を超えるという試合があった一方、1回あたりのセントラルの試合数が多過ぎ、観戦し難い環境であったことを反省します。

プレーオフ参入争いは、シーズン最終日まで激しく。最後のチケットを手に入れた5位のシュライカー大阪が下剋上の試合を展開し、1位でリーグ戦を終えた名古屋オーシャンズを2日目の延長まで苦しめ、Fリーグを最後の最後まで盛り上げてくれました。名古屋の優勝、おめでとうございます。リーグ戦もさることながら、プレーオフでは“これぞフットサル”ともいった試合が多く見られたのは嬉しいことです。
しかし、プレーオフ・ファイナル2日目の予定を事前に立てられないことから、折角の試合をご覧にいただけない方も多かったこと、シーズン198試合の結果の重みをどのように見るのかと言った点などは、今後しっかり考えていかなければならないことです。

名古屋オーシャンズの8回目の優勝、オーシャンカップ、全日本フットサル選手権大会のタイトル獲得は素晴らしく、加えて、AFCフットサルクラブ選手権優勝は、誇らしいものです。また、この名古屋に多くのチームが挑戦し、対名古屋戦のみならず、多くの試合で技術レベルの高いフットサルを展開することができたと思います。フットサル日本代表のAFCフットサル選手権2連覇もその証であり、代表、クラブレベルでのアジアチャンピオンは誰もが賞賛するところです。
一方、ひとつの試合では伍して戦っても、どのクラブもトータルでは名古屋を越えられていないのも事実。今年も来年も日本がアジアのチャンピオンとなり、将来は世界のチャンピオンになるためには、国内での競争を烈火のような激しいものにしなければなりません。そのためには選手、審判、運営、フットサルにまつわるあらゆる環境をひとつもふたつも高いレベルにアップグレードしなければなりません。

様々な要因があったとは言え、Fリーグの財務状況が悪化しました。この煽りを受け、沖縄セントラルを中止せざるを得ない事態に至りました。直前の判断となり、沖縄にお住いの、沖縄に出かけてフットサルを楽しもうと旅行を企画されていた多くのフットサルファンのみなさまにご迷惑をかけました。あらためて深く陳謝いたします。
お蔭さまで財務問題も随分鎮静化しましたが、今後このような状況にならない様、Fリーグの経営を注視し、改善すべくこれまで以上に取り組んでいきます。

世界一激しく、スピーディー、フェアでクリーンなフットサルは、我々が一番に目指すところです。2014/2015シーズンの警告/退場数は、それぞれ1試合あたり、2.15と0.13。2007年Fリーグ開幕時の3.21と0.21と比較すると大きく減少しているのが分かります。特にエスポラーダ北海道の警告0.84とフウガドールすみだの退場0.00には頭が下がる思いです。
これは、選手のリスペクトの意識、その表れのフェアプレーに多く起因していることですが、レフェリング技術向上にも負っています。Fリーグ審判員のレベルの高さはアジアでも評価されており、選手のレベルアップと両輪でFリーグにおける高い技術レベルのフットサル向上に資しています。
しかし、不満が多いことも事実です。「なぜ2人で見ているのに、誰もがファウルだと思うファウルを認識できないのか。」、「選手が大きく負傷するようなファウルを見逃すのか。」選手も相手の安全を考えプレーしなければなりませんが、審判員にも確実なファウル認識、正しい対応を求めます。

柏TOR’82、ビークス白山、広島エフ・ドゥに加えて、FリーグU-23選抜による準会員リーグも、将来のFリーグクラブの強化、運営習熟に加え、若いFリーガーの発掘有意義に行われました。
しかし、Fリーグ表彰式で“新人賞”を贈る対象選手がいなかったのは残念です。ベテラン選手の味ある活躍も嬉しいものですが、Fリーグには若い選手の台頭が必須なのは言わずもがな。今後改善していかなければならない課題と考えます。

Fリーグが行ったもうひとつのリーグは、ファンズ・フットサルフェスタ。フットサルは見て楽しむスポーツであると同時に“DO”のスポーツ。フットサルファンに日ごろ応援している12クラブのユニフォームなどを装い、5回のセントラルでフットサルを楽しんでいただきました。2014/2015シーズン優勝は、府中アスレティックFCのファンのみなさまでした。
これからも多くのファンのみなさまにフットサルを楽しんでいただく様々な企画を設けていきます。

がんに侵されてもフットサルを諦めることなく、Fリーガーとして復帰した湘南ベルマーレの久光重貴選手とデウソン神戸の鈴村拓也選手が中心となって、公益財財団法人日本対がん協会とがんの啓発と小児がん患者支援を目的に、“フットサルリボン”を立ち上げ、募金活動の実施、Fリーグ選手によるがん啓発、小児がん患者支援のイベントや慰問活動を実施いたしました。リーグ内にこのふたりのように不屈の選手がいることもあり、様々な困難を乗り越えてスポーツを楽しめる環境を今後も作っていきます。

2014/2015シーズンも多くご協賛社にご支援をいただき、ありがとうございました。
残念なことですが、そのうち、長い間Fリーグをご協賛くださっていた森永製菓(株)、SPORTS DEPO((株)アルペン)、(株)コナミデジタルエンタテインメント、アシックスジャパン(株)、(株)ミカサの各社は、このシーズンを最後にスポンサー、パートナーからおりられることになりました。特に森永製菓(株)は、2010年からタイトルスポンサーとして、特別に支援をいただいておりました。各社の長きにわたるご支援に、深く深く感謝申し上げます。

2015/2016シーズンのFリーグは、5月2日(土)に国立代々木競技場第一体育館にて開幕します。これまで以上に、フットサルと会場でのエンターテイメントで楽しい時間を提供してまいります。新たなFリーグの姿は、近く発表いたしますので、楽しみにお待ちくだい。

Fリーグ最高執行責任者(COO)松崎康弘