【Fリーグ報道官コラム】ひとつの試合、ひとつの勝ち点、ひとつの得点の重要な意味

 
気づけば今年も残すところ後2カ月あまりとなりました。この時期に入ると、普段のタスクに加えて年内に済ませておきたい雑務、忘年会、クリスマス、お正月を迎える準備などなど、年越しまで一直線に猛スピードで時間が過ぎてゆく感覚が毎年あります。せめてクリスマスとお正月があと半月くらい離れていてくれたら分散できるのになぁ・・・なんて不毛な考えが毎年頭の中を巡ります。
 
そして、Fリーグも佳境に突入し、残り試合数もあと10試合を切りました。プレーオフに向けてひとつの試合、ひとつの勝ち点、ひとつの得点がとても重要な意味を持ち、ますます緊張感のある試合が繰り広げられています。
 
さて、今シーズンはこのプレーオフのルールにも変更があったことをみなさんはご存知でしょうか。このコラムでも以前に少し触れたことがありますが、プレーオフを控えた今、改めておさらいをしておくこととしましょう。
 
Fリーグではプレーオフ制度を用いています。つまり、シーズンを通してリーグ戦で勝ち点を一番多く積み上げたクラブが「優勝クラブ」ではないのです。Fリーグ全12クラブのうち、シーズンを通して積み上げた勝ち点の上位5位チームのみがプレーオフの出場権を得ることができます。そして、そのプレーオフで優勝したクラブがその年の優勝クラブとなるのです。つまり、シーズンを通して勝ち点5位だったクラブでも、優勝の称号を手にする可能性を持っているということになります。そのプレーオフのルールで今シーズンから変更のあった点は、決勝戦に関わる部分になります。変わった部分は下記の通り。
 
・決勝は2試合行い、2試合が終了した時点で、勝利数が多いチームを勝者とし、優勝チームとする。
・決勝の2試合が終了した時点で勝利数が同数の場合には、以下の順によって勝者を決定する。
 【1】2試合における得失点差
 【2】リーグ戦順位1位チーム
 
これまでは決勝戦の第1戦でリーグ戦1位のクラブが勝ちもしくは引き分けだった場合、その時点でリーグ戦1位のクラブが年間優勝クラブになるという規定でした。つまり、リーグ戦1位のクラブにとって2連敗しない限りは優勝を逃すことがないという、かなり優遇されたルールになっていたんですね。また、決勝戦も1試合だけで終わるのか、はたまた翌日に持ち越しになるのか、その時にならないとわからず、観戦に来るお客さんにとってはなんともスケジュールが立てづらい状況でした。そういった観点からすると、今シーズンから変更となったプレーオフの規定はとても良い変更点になっているのではないでしょうか。
 
今シーズンのプレーオフは年が明けて2018年の1月13日(土)~21日(日)にかけて、東京の駒沢オリンピック公園総合運動場の屋内球技場にて行われます。長期的に戦い勝ち点を重ねるリーグ戦をマラソンに例えると、プレーオフは短距離走になります。もし会場に足を踏み入れたら、リーグ戦とは全く違う熱量と興奮と緊張感が会場内を支配し、その空気に圧倒されること間違いなしです。それに向けたリーグの終盤戦を会場で追いながら、プレーオフへの興奮をぜひ味わってみませんか?
 
加藤 未央(かとう みお) : 1984年1月19日生まれ、東京都出身。「ミスマガジン2001」グランプリ。2007〜2009年TBS「スーパーサッカー PLUS」レギュラー出演、「フットサルナビ」連載ほか、フットボール関連のテレビ出演、コラム執筆等多数。2015年9月、「Fリーグ報道官」に就任。