7対1で大勝の名古屋が年間優勝を決める!【Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 プレーオフ決勝 第2戦】

1月26日(日)、愛知・武田テバオーシャンアリーナで、Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 プレーオフ決勝 第2戦が行われました。
 

【Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 プレーオフ決勝 第2戦】
名古屋オーシャンズ 7-1 バサジィ大分

第1戦を2対2のドローで終えた両者が2戦目を戦いました。リーグ戦上位のアドバンテージを持つ名古屋は引き分け以上、大分は勝利することで優勝を手にする大事な一戦。7シーズンぶりに決勝の舞台に立ち、初優勝を狙う大分は開始直後、GK岩永汰紀選手がハーフウェイラインを越えロングシュートを放ちます。対する名古屋もラファ選手から西谷選手とつなぎ、ペピータ選手がシュートを打ちますが、枠を捉えることができません。
 
圧力を増す名古屋の攻撃をしっかりと人数をかけて跳ね返す大分でしたが、13分、ペピータ選手がゴールを背に落としたボールをラファ選手が蹴り込み、名古屋が先制に成功します。勢いに乗る名古屋はさらに大分ゴールを脅かしますが、大分GK岩永選手も好セーブを見せ、追加点を許しません。しかし15分、ゴール前左手から八木聖人選手がゴール。名古屋が2点をリードすると、ここで大分はタイムアウトを選択。タイムアウト明けから戦況を立て直したいところでしたが、16分にはヴァルチーニョ選手が距離のあるフリーキックを直接決め、名古屋が追加点を奪います。前半終盤にもセットプレーからファーサイドのペピータ選手が強烈なボレーを叩き込み、4対0とリードを広げます。4点ビハインドで前半を折り返した大分は、後半立ち上がり、白方秀和選手をGKに置きパワープレーを開始します。しかし名古屋の守備を崩すことができず、逆にヴァルチーニョ選手にパワープレー返しを浴び失点してしまいます。完全にゲームを支配する名古屋はその後、ラファ選手がヒールシュートで6点目を決めると、31分には吉川智貴選手のキックインからヴァルチーニョ選手がゴールを決めハットトリックを達成。
 
7点を追う苦しい展開の中、なかなかチャンスを作れない大分は試合時間6分を切りタイムアウトを取ると、白方選手をGKに再度パワープレーを仕掛けます。ここでも名古屋の守備を崩せない大分でしたが、ヴァルチーニョ選手が2枚目のイエローカードで退場となると、数的優位を生かし芝野創太選手が頭で押し込み1点を返します。一矢報いた大分でしたが、その後は得点を奪うことができずに7対1でタイムアップ。圧倒的な強さを見せた名古屋が3年連続12度目の優勝を収めました。
 
[試合後コメント]
 
フエンテス監督(名古屋オーシャンズ)
-試合を振り返って
「まず、これほどまで選手にスポットライトを当てるためのサポートをしていただいた、すべての皆さんに感謝したいと思います。そして、選手がしっかりと今までやってきたことを表現してくれたことに感謝しています。ゲームに関しては、昨日に引き続き、内容は悪くありませんでした。ただ、昨日は物足りなさがあって同点になってしまいました。ですが、今日はゲームに入る前から「勝てる」と感じていました。選手一人ひとりの目が輝いていましたし、ゲームに入ってもチームが一つになって一人ひとりが自分の良さを出した決勝戦でした。ピッチに立っていない選手もサポートをし合いながら、プレーをしていました。完璧なゲームが最後の試合でできたと言えます。いい内容で締めくくることができました」
 
──監督就任1年目でプレッシャーがかかる中、一番重要なタイトルを獲得することができた心境は?
「正直、ホッとしています。すべてのプレッシャーから解放され、平和だと感じています。このクラブはビッククラブで、選手や設備、すべてが揃っている環境ですが、逆に言えばそこでは結果が求められます。今までもずっとタイトルを取り続けてきたクラブが今度は新しい監督に投資するということで、私を選んでいただいた。その恩返しをするために、最終的には結果を残さなければいけない気持ちでいました。毎日のトレーニングから、自分のアイデンティティを出せるフットサルを信じて取り組んできました。やはりプレッシャーを常に抱えながらやってきたので、喜びもあります。ですが監督を含めて、運営側に回っている方は、結果が出るまではプレッシャーを感じて、皆さん取り組んでいます。ホッとしているのは皆さんも同じだと思いますし、本当に良かったと思います」
 
──第1戦は相手のカウンターに苦しんでいましたが、第2戦ではほとんど相手に効果的なカウンターをさせなかったのでは?
「第1戦も内容がよかったですが、結果は同点に終わりました。第1戦では求めていたものの9割ができていたが、何かが足りなかった。今日は第1戦に経験したものを選手たちが吸収して、わずか1日でチームとしての成長が見られたのがうれしかった。カウンターについても第1戦の反省を踏まえて、みんなが意見を出し合って相手の良さを消すことができていました。さらに1人ひとりが戦術だけでなく、自分がプラスになる勇気あるプレーを出したことが、今日の結果に繋がったと思います」
 
星龍太選手(名古屋オーシャンズ)
──試合を振り返って。
「2試合目は内容も大事ですが、結果が何より求められます。そこに関しては何も言うことはないくらい、結果に表れたと思います。僕たちの戦い方ができた試合でした。細かく言うと、前半の終わりの得点で相手の心を折ることができ、後半最初のパワープレー返しで再度心を折った、という表現が正しいと思います。そこから大分のメンタルや体力が急激に落ちた。そういう点の取り方ができたのは、しっかりと対策ができたから。それをこの場で発揮できて良かったと思います」
 
──直前にケガをしていましたが決勝では万全の状態だったか。
「正直、コンディションは良くはないです。まだ痛みを抱えながらプレーしていますが、それでも自分にできることはあります。今できる自分の限界を、今日は出せたと思う。少しでもチームの力になれたかなと思っています。ただ、自分の中ではもっとできるし、もっと回復したかった。もうちょっとできるなと言う気持ちがあります」
 
──監督就任1年目でタイトルを獲得して今の心境は?
「タイトルに関してはどの大会もすごく大事で、毎回うれしいです。僕は正直、胃腸が弱い方なので・・・さっきまでは大丈夫でしたけど、ホッとしてお腹が痛いです。そのくらいの不安を、体が感じていた。さっき監督が言ったように、ホッとしているというのが正直な感想です。リーグのタイトルはすごく嬉しいですし、僕がキャプテンに就任して1年目の時にタイトルを落としたことは、今でも忘れない。ふとした時に思い出すこともあります。それを忘れないからこそ、今の強さが僕やチームにあると思っています。引き続き、どのタイトルも気を緩めずにやっていくことが大事です」
 
──勝ち続けていると慢心や重圧は?
「必要以上に感じることは、チームとしてはないと思っています。いろいろなタイトルを獲得したり、決勝の場に立ったりした経験が、その人たちのメンタルを作っている。そういう経験をしたからこそ、必要以上のプレッシャーを感じず、こういう舞台にいい緊張感で臨めていると思います」
 
伊藤雅範監督(バサジィ大分)
-試合を振り返って
「試合を総括する前にふたつ。ひとつは、名古屋オーシャンズの優勝を祝福したいと思います。その結果にふさわしいチームでした。二つ目は、今日で今シーズンのFリーグは終了となります。集まってくださったメディアや、Fリーグのみなさん、フットサルを愛するみなさんに支えていただいたことに、感謝を申し上げます。試合の結果は残念でした。自分たちの力を考えて、僅差に持っていくというプランを考えていましたが、できなかった。監督の采配ミスがあったと感じています」
 
──昨日以上に戦う気持ちやアグレッシブさがあったが、僅差にできなかった要因は?
「それもふたつあります。ひとつ、今シーズン突き詰めてきたことに隙があったということ。細かいディティールの部分の積み重ねですね。それともうひとつ、前半に奪われた4点のうちの3点は、外国人選手によるものでした。彼ら3人を押さえないと絶対に勝てないと思っていたのですが、押さえきれませんでした」
 
──手応えや選手の成長を感じたシーズンだったのでは?
「今はまだ、冷静に振り返ることができないですが、今シーズンの何がよかったかというと、選手の質が高かったことです。練習から一生懸命頑張っていたので、それが結果に表れました。シーズンを通して自分たちが苦戦したり、足りなかったと感じたりしたものとして、僕の表現ではありますが「勝ったチームが勝ったのではなく、勝ち続けたチームが勝った」ということ。大阪や名古屋に勝てなかったのは、この1年ということではなく、やはり相手には勝ち続けてきた歴史や伝統があります。僕らにはまだ、ユニフォームの重みがありません。だからこそ、大きなゲームや強い相手に対して結果を残せなかったのかな、と。これは積み重ねでしか解決できません。2年前に監督として大分に戻ってきましたが、常に優勝争いをして、決勝に来るのが当たり前にしないといけません。来シーズンも続けられるのであれば、そこを突き詰めて、自分たちのフットサルを続けていきたいです」
 
白方秀和選手(バサジィ大分)
──今日の試合を振り返って
「「悔しい」という感情も出ないくらいの完敗でした。この第2戦に注目してくださった方に、申し訳ない試合をしてしまったと思っています」