決勝進出はF2柏とF1すみだ!【全日本フットサル選手権大会】

3月6日(土)、静岡・浜松アリーナでJFA 第26回全日本フットサル選手権大会準決勝の2試合が開催されました。
 
準決勝の第1試合では、準々決勝で名古屋オーシャンズを下したF2所属のトルエーラ柏と、今季リーグ戦準優勝を収め、準々決勝で立川・府中アスレティックFCとの延長戦を制したバサジィ大分が対戦しました。ここまで勝ち上がり勢いに乗る柏は2分、内野脩麻選手のゴールで先制に成功すると、8分にはキックインの流れから佐藤建也選手が追加点を挙げ、大分を突き放します。その後もコンスタントに得点を重ね、一時は4点をリードした柏。しかし、F1の意地を見せる大分が14分に吉田圭吾選手のゴールで1点を返すと、17分には瀧澤太将選手が追加点を挙げ4-2で第1ピリオドを折り返します。2点ビハインドの大分は第2ピリオドでリズムを立て直したいところでしたが、序盤で失点を喫すると28分には相手のセットプレーからオウンゴールを献上してしまい、再度4点を追う苦しい展開に。その後大分は吉田選手が追加点を挙げ、仁部屋和弘選手をGKにパワープレーを開始。セットプレーやパワープレーから1点差に迫ります。最後まで同点ゴールを狙った大分でしたが、集中した守備を見せた柏が1点のリードを守り切り、6-5で勝利。クラブ史上初の決勝へと駒を進めました。
 
第2試合のペスカドーラ町田対フウガドールすみだは、第1試合とは対照的に引き締まった展開になりました。立ち上がりから両者とも先制を狙いながら両GKの活躍もあり、なかなかゴールが生まれません。しかし、8分、森村孝志選手のキックインに合わせた宮崎曉選手のゴールですみだが均衡を破ります。0-1とすみだリードで迎えた第2ピリオド、1点を追う町田は積極的にゴールに向かいますが、逆にすみだに追加点を許してしまいます。2点を追う町田は毛利元亮選手をGKに置きパワープレーを開始。この采配が功を奏し、39分に本石猛裕選手のゴールで1点差に迫った町田は、残り22秒でクレパウジ ヴィニシウス選手が追加点を挙げます。土壇場で2-2の同点となり、勝敗は延長戦に委ねられることに。しかし、両チームに疲労の影響も見られ延長戦では得点が生まれず、試合はPK戦に突入しました。両チームが5人ずつを蹴ったPKは3-4ですみだに軍配。明日の決勝戦は、柏とすみだが対戦することになりました。
 

<試合後コメント>

岡山孝介監督(トルエーラ柏)
―試合を振り返って
「大分は縦に早いフットサルをしてくるので、パスラインを抑え、ピヴォにボールが入った時に反転させないことや、マークを外さないようにしっかりついていくことなどがよくできたと思います。攻撃に関してはバリエーションは多いので、流動性を持って適切な判断ができたことがうまくいった点だと思います」
 
―決勝に向けて
「決勝も今までどおりしっかり楽しんで、全力を尽くしてがんばりたいと思います」
 
白方秀和選手(トルエーラ柏)
―準々決勝は累積で出場できませんでしたが、それを経てこの試合を終えた感想は?

「名古屋戦はスタンドから見ていましたが、すごく楽しかったですし、ピッチに立っている全員が輝いていました。大分は自分の古巣であり、個人的な感情もありましたが、ここまで連れてきてくれたみんなに少しでも恩返しをし、この大会を長く勝ち進むためにこの試合に懸けようという気持ちで臨みました」
 
―試合後に涙も見えましたが、ご自身にとってこの大会はどのような意味を持っていますか?
「自分たちは(Fリーグの)入替戦を控えていて、それが第一の目標であることは間違いありませんが、その前の段階で入替戦でいい入りができるようにF1のチームとなるべく多く試合を重ねて、その強度に慣れていくのが大事だと思っていました。ただ、大会が始まってF1のチームを相手に結果を残すことができ、チームとしても自信を掴むことができています。ここまできたらやはりチームメートと一緒に優勝したいと思っています」
 
内野脩麻選手(トルエーラ柏)
―F1の上位陣を下してここまで勝ち上がってきましたが、大会を通してチームの成長は感じていますか?
「点差がついていても厳しい試合を何度も何度も繰り返し、ここまできました。今季に関しては、F1のチームに真剣勝負で戦える機会はそこまでなかったので、ギリギリの試合でハラハラ感を味わいながら勝つことができ、個人的にも、チームのみんなも、楽しみながらプレーできていたと思います。そういったところが成長につながっているのではないかと思います」
 
―出身地の静岡での決勝に臨む気持ちは?
「地元でこういった大きい舞台でプレーできる機会はそんなにないと思いますし、さらにそれが決勝戦なので、緊張もありますが、この緊張感を楽しんでプレーできればいい結果が待っていると思います。ここまで、なかなかない2連戦が3週続くスケジュールで進んできているので、貴重な体験をしていることも含めて自分らしく楽しみたいと思います」
 
須賀雄大監督(フウガドールすみだ)
―接戦を振り返って

「まず、町田は色々なバリエーションで得点ができる本当にいいチームです。そこにイゴール選手という信頼感があるゴレイロがいて、すごく難しい試合でした。彼らのトランジションは一番脅威に感じていたので、そこで自分たちがどれだけ優位に立てるかでゲーム自体の性質が変わってくると思っていました。相手のパワープレーから2失点してしまいましたが、崩されたというより自分たちがアクションを起こしたときのプレス回避やカウンターという想定外の形だったので、ある程度仕方ないと思っています。どれだけ失点を少なく終盤を迎えられるかが鍵だったので、それを選手に要求し、見事に応えてくれたことが素晴らしいポイントだと思っています。延長に入ってからは負傷者もいて厳しい状況ではありましたが、それでもチャンスは作れていました。選手たちのポテンシャルを改めて感じる試合となりました」
 
―(前身のチームも含め)4度目の決勝で12年ぶりの優勝を目指します。退任前の最後の大会で決勝を迎える気持ちは?
「自分が退任することはまったく意識していません。ただ、このチームに可能性とポテンシャルを感じていて、選手もすごく努力してくれた1年だったので、やはり何らかの形でタイトルを取らせてあげたいという気持ちは強いです。コロナウイルスの猛威もあり、シーズン序盤はうまくいきませんでしたし、途中で陽性者も出て過密日程になり、一番難しいシーズンだったのではないかと思いますが、そこを前向きにひとつひとつ乗り越えていった選手たちが日本一のタイトルを取るにふさわしい選手だと思います。そこにこういった形で挑めるのは非常にうれしいです」
 
森村孝志選手(フウガドールすみだ)
―試合を振り返って
「今日の試合は正直とてもしんどくて、みんなに助けられたという気持ちです。僕はオフェンスの選手なので、ゴールに絡むプレーがしたいと思っています。そういったプレースタイルをシーズン終盤にかけてチームメートも理解してくれて、なおかつ僕もチームメートのプレーを分かってきて、最近よくなってきていると思います」
 
―須賀監督の退任を控え、チームの雰囲気と決勝に向けた意気込みは?
「特別な雰囲気はありませんが、チーム一丸となって戦おうという気持ちでいます。個人的には自分の存在価値をこの大会で示したいと思っています」
 
諸江剣語選手(フウガドールすみだ)
―相手の若手のピヴォをしっかり押さえていましたが、どのようなことを意識していましたか?

「相手のピヴォの毛利元亮選手、本石猛裕選手は非常にレベルの高い選手です。特に毛利選手は20歳前後だと思いますが、一番伸びているのではないかというぐらいレベルが高いと思います。最初は前取りを狙おうと思っていましたが、出し手のヴィニシウス選手が裏に蹴れるので相手のピヴォに収まる時間が増えました。ただ、反転はほとんど右足だとスカウティングしていたので、シュートに対してしっかりブロックできるように対応しました」
 
―須賀監督との最後の試合をタイトルを懸けて戦えることについて
「須賀監督とは10年以上のつきあいです。僕はすみだで10年目ですが、Fリーグに上がってからはタイトルを獲得できていませんし、日本一になって須賀監督にタイトルをプレゼントして気持ちよくみんなで送り出したいと思っています。個人的には今日の準決勝でも涙が出てくるぐらい嬉しかったです。それは勝ったことだけでなく、須賀監督との思い出や(第18回大会の決勝で)僕がPKを外して名古屋オーシャンズに負けたことが走馬灯のように思い浮かんで、少し涙が出ました。それほど須賀監督への思いは強いです。明日足がなくなってもいいので最後まで走って日本一になりたいと思います」
 
JFA 第26回 全日本フットサル選手権大会<決勝>
3月7日(日)/浜松アリーナ
トルエーラ柏 vs. フウガドールすみだ
 
詳しい日程・結果はJFA公式サイトをご覧ください。