トルエーラ柏、初優勝!F2優勝に続くタイトルを獲得!【全日本フットサル選手権大会】

3月7日(日)、静岡・浜松アリーナでJFA 第26回全日本フットサル選手権大会決勝が開催されました。
 

トルエーラ柏 5-1 フウガドールすみだ

2回戦からここまで5試合を勝ち上がり初めての決勝に臨む柏と、前身のチームも含め4度目の決勝で12年ぶりの優勝を目指すすみだが対戦しました。両者とも緊張感高く試合に入ると、拮抗した展開が続きます。第1ピリオドはシュート数も柏8本、すみだ7本に留まり、得点が生まれずスコアレスで折り返しました。1点の重みが増す第2ピリオド、均衡を破ったのは柏でした。27分、サカイ ダニエル ユウジ選手の放ったシュートがゴールネットを揺らし、柏が先制に成功します。これまでもF1の強豪相手に得点を重ねてきた柏は、この得点に勢いを得て攻勢を強めます。しかし、集中した守備でこれをしのいだすみだは、4分弱を残し中田秀人選手をGKにパワープレーを開始。するとこの選択が功を奏し、パワープレー開始直後の37分、鬼塚祥慶選手が同点ゴールを奪います。40分間の戦いは1-1のまま決着がつかず、延長戦を迎えました。延長第1ピリオドでも両者譲らず激しい攻防を繰り広げますが、佐藤建也選手が勝ち越しゴールを挙げた柏が1点リードで延長第2ピリオドを迎えると、パワープレーを仕掛けるすみだに対し隙を見逃さないタフさを見せパワープレー返しで3点を追加。50分に及ぶ戦いは大会を通してさらなる成長を遂げた柏が5-1で勝利し、F2優勝に続き王座に輝きました。
 

<試合後コメント>

岡山孝介監督(トルエーラ柏)
-日本一のチームを率いる監督になった気持ちは?
「非常にうれしいです。本当に選手たちに恵まれて、彼らにここまで連れてきてもらったという気持ちです。選手たちに感謝していますし、素直にうれしく思います」
 
―入替戦に臨むにあたり、得られたと感じていることや逆にここまで勝ち上がってきたことによる慢心への心配はありますか?
「確かに慢心が一番怖いです。しかし、彼らは名古屋オーシャンズに勝利した後も変わりませんでした。今大会の初戦や2戦目で、カテゴリが下の相手と対戦する時も最善の準備をして勝ち切ってくれたので、心配はしていません」
 
―若手の成長もさることながらベテランの成長も見えましたが、ベテランの活躍はどう映り、どうやってこのようなチームを作り上げたか教えてください
「おっしゃる通り、ベテラン勢も成長しています。僕がバルドラール浦安やペスカドーラ町田で指揮をしてきた時も、『しっかりトレーニングを積める選手は成長する』ということを見てきました。フットサルは探求心を持って練習に励めば、上達できるスポーツだと思います。ベテランの飽くなき探求心はすごいと思いますし、それを見て若い選手たちがいい手本にして練習に励んでくれたので、二重の意味でよかったと思っています」
 
中村友亮選手(トルエーラ柏)
―大会を通じての成長などは感じていますか?

「今大会に向けて活動してきたわけではありませんが、シーズンを通して行ってきた自分たちのフットサルをこの大会で出せたのではないかと思います。(個人としては)柏は前からディフェンスをするスタイルなので、スイッチ役や前からプレスをかける役割はできたと思います」
 
―試合全体を通じてスピード、運動量、要所を締める動きが見られました。キャリアの中でもいい状態にあるのではないでしょうか?
「今シーズンは、新型コロナウイルスの影響で練習ができなかった時期もありましたが、メニューをもらいチームで集まるまでにそれぞれが意識高くトレーニングを積むことができました。チームでの約束ごとである『練習でも100%、120%の力を出す』ということを守ることができ、練習から充実した1年だったと思います」
 
―出身地である静岡、以前所属していたアグレミーナ浜松のファンの前でタイトルを獲得できたことについて
「この大会の準決勝、決勝は毎年東京で行われています。今年はこのような状況で準決勝、決勝の会場が浜松になり、勝ち上がって浜松での決勝の舞台に立てることで、気持ちが高まる部分もありました。そこで優勝でき、充実した大会だったと思います」
 
サカイ ダニエル ユウジ選手(トルエーラ柏)
―優勝おめでとうございます。感想を聞かせてください
「チームとして対策をしてきたので、その中でいい戦いができたのではないかと思います」
 
―準決勝に比べ、前に出るシーンが多く見られましたが、それはチームとしての戦術か個人の判断かどちらでしょうか?
「コンディションや怪我の部分で、昨日は不安要素があり、痛みと共に試合をこなしてきました。今日は痛みが少しマシになったので、いつも通りのプレーができました。なので、攻撃に関して特別に指示があったわけではなく、自身のコンディションとして、今日のほうが動きやすかったということです」
 
―岡山監督の元、のびのびといいプレーができているように見えますが、コンディションや自身のプレーの感触は?
「岡山監督とはペスカドーラ町田時代から共にプレーをさせてもらい、監督の目指すフットサルや展開したいプレーモデルをある程度把握できていることが今のプレーに直結していると思います。その上でハードワークをして、チーム全体で戦っていく中で、自分の長所やストロングポイントを分かってもらいました。F2で優勝し、全日本でも優勝することができました。入替戦に向けてもいい準備をし、力を振り絞ってがんばっていきたいと思います」
 
須賀雄大監督(フウガドールすみだ)
―素晴らしいゲームとなりました。試合を振り返っていかがでしょうか?

「柏はバルドラール浦安、名古屋オーシャンズ、バサジィ大分に連続で勝ち抜いてきたチームです。実際にFリーグで名古屋や大分と連戦したとして、連勝できるチームがどれだけいるか。そう考えると、F1、F2ということは関係なくリスペクトされるべきものだと思います。だからこそ、自分たちが相手をリスペクトして戦うことで、普段の彼らとは違う戦いができるのではないかと思っていました。柏の4枚でのボール回しに焦れずに粘り強く対応することで、いつもとは違う試合展開を引き出すことも狙いのひとつでした。選手にはこの決勝で難しいタスクを与えましたが、高いレベルでこなしてくれました。素晴らしい選手たちでした」
 
―怪我の影響が心配される諸江剣語、ガリンシャを長い時間起用した一方、渡井博之の出場時間は長くありませんでした。起用の狙いは?
「基本的には粘り強く、我慢強く戦うという狙いがありました。渡井も諸江も北村(弘樹)も素晴らしいフィクソですが、相手は4-0のクワトロから背後を取る戦術なので、相手がピヴォを使わない時間にアクティブな守備ができるのが諸江と北村だと評価しています。柏には野村(啓介)というピヴォがいますが、彼はセンターに構えるタイプではなく、自陣に降りてパスを回すピヴォなので、そこにプレッシャーをかける人選を考えました。諸江の怪我に関しては重く受け止めていないですし、それに勝る気迫で今大会に臨み、素晴らしいプレーを見せました。北村も失点には絡みましたが、今後のフウガを背負うフィクソになっていくことは間違いありません。三笠(貴史)を含むハイレベルなフィクソの争いの中、決勝は2セットで戦うことを考えた2選手の起用でした」
 
―柏対策が行き届いていましたが、どのように伝え、練習してきましたか?
「対戦相手が柏に決まったのは昨日なので、対策をしてきたわけではありません。自分たちは自分たちの戦い方をプレシーズンから構築してきましたし、Fリーグには色々な種類のハイレベルなチームがいます。そこでこのチームにはこのように戦うという経験値が溜まっているので、柏に対して何か新しいことをするのではなく、自分たちが積み重ねてきた引出しの中から対応しました。それに加え、選手たちにそのプランを実現するインテリジェンスと自己犠牲心があったことが素晴らしかったと思っています」
 
諸江剣語選手(フウガドールすみだ)
―公式戦では初めての柏と対戦。相手の印象は?

「優勝にふさわしいチームだと思いました。最強の相手だということは、対戦する前から分かっていましたが、実際に戦ってみてチャンピオンにふさわしいチームだという印象でした」
 
―1失点をしたあと、選手同士で話して変えた部分はありますか?
「1点決められてからもチャンスはあったので、今やっていることを続けようと話しました。そうすればチャンスはくるので、あとは決めるだけだ、と。そして、実際に追いつくことができました。延長になり、セットプレーでの失点は、集中はしていましたが、まだまだ力が足りなかったのだと思います。今まではそこを止めることができたので勝ち続けられました。単純に、力がなかったのだと思います」
 
―すみだのほうがプレッシャーがかかっていたのでは?
「立ち上がりに関しては、柏のプレスが強くて押し込まれた時間も多くありました。でも、僕たちが押し込む時間もあり、チャンスもきていました。フリーキックからガリンシャがバーに当てたシーンや、中田(秀人)がバーに当てたシーンなど紙一重だったと思います。ただ、勝てなかったということは、力が足りなかったということ。柏がチャンピオンにふさわしいチームだった、ということだと思います」
 
鬼塚祥慶選手(フウガドールすみだ)
―すみだに移籍後、中心選手として活躍を見せました

「個人としてはゴールは挙げられましたが、それ以外にチームに貢献できる部分があるはずです。そこを突き詰めていかないと、チームを勝たせる選手にはなれないと思うので、来季に向けて取り組んでいきたいです」
 
―自身のゴールを振り返って
「相手の守備が引いていたので後ろからでも打てると思っていました。トラップをした時に相手の守備を窺い、セグンドに宮崎(曉)選手もいたので、シュートパスのような形で思い切り蹴り込みました」
 
―出場機会を求めて名古屋から移籍し、出場時間も多かったと思います。準優勝は悔しい結果だと思いますが、日本で2番目ということでもあります。今季の成長をどのように感じていますか?
「目標であった「怪我なくシーズンを通してプレーする」ということは達成できました。ただ、これからはシーズンを通してコンディションを上げて継続していかないと、日本代表にも選ばれないと思います。そこを意識して、出場時間を長くし、活躍したいと思います」
 
詳しい日程・結果はJFA公式サイトをご覧ください。