髙橋健介氏「歴史をさらに進めてくれるという期待を持って」ー2大会ぶりのワールドカップ出場によせて

9月12日(日)に開幕するFIFA フットサルワールドカップ リトアニア2021に、フットサル日本代表が出場します。
 
2大会ぶりの出場で歴代最高成績のベスト16を上回る好成績を目指すフットサル日本代表に向け、9年前の2012年大会に出場したメンバーから応援の声が届きました。2012年当時を振り返りながら、日の丸を背負う責任や大会の展望について伺っています。
 
第6回は、バルドラール浦安でFリーグ開幕を迎え、スペインでのプレーや浦安での監督経験を経て、現在はフットサルインドネシア代表の総監督を務める髙橋健介さんからのコメントを紹介します。
 
■髙橋さんにとって「フットサル日本代表」とは?
 
常に成長を求められ、世界の扉を開いてくれた場所です。大きな情熱を持った先輩や仲間たちから合宿、試合で大きな刺激を受けながら、対戦相手からは個人的にもチームとしても「まだまだだぞ」と現在地を突きつけられ、「もっとやらないといけない」「このままではダメだ」と体感させられてきました。日常的に世界のトップで行われていることに取り組まないと世界で勝つことは難しいと感じ、アジアではイランに勝つために、そしてワールドカップで勝つために、必要なことは何なんだろうと常に考えていました。
 
■2012年大会で印象に残っている試合やエピソードを教えてください
 
大会を通じて色々なことが起こった大会でした。私はポルトガル戦で怪我をして、その後の試合には出る事ができなくなり不完全燃焼で終わってしまいました。その試合の記憶もほとんどありません。今も「いつかこの舞台に戻りたい」という思いを持って監督をしているので、この時の経験が今の原動力と言えるかもしれません。
 
怪我や累積、退場選手など不測の事態が色々起こった大会でしたが、今大会もさまざまな壁にぶつかると思います。前回のワールドカップを経験した選手やスタッフ、海外で多くの経験した選手やスタッフ、Fリーグの中で長い間、中心となって活躍してきた選手たちがそれぞれの経験を生かして困難を乗り越え、さらに歴史を進めてくれることを期待しています!
 
■グループステージの展望や注目の選手など、今回の大会のみどころを教えてください
 
優勝候補筆頭のスペイン戦に注目しています。大会前に行った親善試合では僅差で敗れてはいますが、素晴らしい試合をしました。前回(2019年12月)、大敗した試合内容からはかなり大きな改善を見ることができ、希望を感じた試合でした。初戦のアンゴラ戦に勝つことが大前提になりますが、この試合を踏まえて決勝トーナメントに行くためにどのように戦うのか、コーチングスタッフの戦い方にも注目しています。
 
相手ピヴォへの対策はキーポイントになりますが、審判がどれくらいコンタクトを許容してくれる大会になるのかも大きな影響を及ぼす要素だと思います。大会のなかでアジャストしていかなくてはいけないこともたくさんあるので、親善試合とはまた大きく違う試合になる可能性も高いです。そういった状況の時に色々な状況に対応できる選手が求められると思います。
 
スペインリーグや海外のトップリーグで日常的にプレーをしている選手、してきた選手は、その経験でチームに落ち着きを与えてくれると思います。吉川智貴選手、逸見勝利ラファエル選手、清水和也選手、星翔太選手、皆本晃選手、そしてアルトゥール選手、イゴール選手と、海外での経験を持った選手がたくさんいることは、大きな安定に繋がると思います。そこにFリーグのなかで違いを見せるタレントを持った選手たちの力が加わり、そのタレントを発揮できれば、目標とする結果を出せるのではないかと期待しています。
 
個人的に注目している選手は、選手として、コーチとして、監督として、多くの時間を一緒に過ごしてきた星翔太選手です。スペインでプレーをしていた時は一緒に住んでいましたし、代表合宿でも同じ部屋になることが多かったと記憶してます。何でも吸収しようとする貪欲な姿勢でずっと成長し続け、現役最後の年にして過去最高の翔太になっているのではないかと思います。すべてのプレーをハイレベルでできる貴重な選手として、チームから求められることに応えながら活躍する姿を見ることができると思います。ピヴォとしてだけではなく、流動的にプレーすることができるのでその動きの質に注目してみて下さい。
 
■2大会ぶりの出場を果たしたフットサル日本代表へ、エールをお願いします
 
ワールドカップ本戦は、親善試合の何倍にもパワーアップしてくる相手との真剣勝負。外から見ているだけでは想像しきれないプレッシャーもあると思います。それぞれの所属チームで取り組んできた積み重ねが、結果に変わると思っています。日本を代表する選手たち全員で力を合わせて、ピッチ内外でそれぞれができるすべてのパフォーマンスを出してがんばってください!歴史をさらに進めてくれるという期待を持って応援しています。