【フウガドールすみだ】荻窪孝監督、星龍太選手試合後コメント/全日本フットサル選手権大会準決勝
3月18日(土)、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館でJFA 第28回全日本フットサル選手権大会の準決勝「フウガドールすみだ vs. Y.S.C.C.横浜」が開催されました。40分間を0-0で終え、延長戦で勝利をつかみ取ったフウガドールすみだ・荻窪孝監督、星龍太選手の試合後コメントです。
<荻窪孝監督/フウガドールすみだ>
―試合の総括をお願いします。
昨日もこの場で伝えましたが、(準々決勝の)浦安戦同様、守備の時間に追われることは予想していました。(横浜の)堤選手は本当にいい選手ですし、主導権を横浜に握られることは受け入れて臨むことを準備していました。ゴールポストにたくさん救われたんですが、GKの岸を含め、選手の気持ちがそういったところに表れて最後まで粘り強く戦えたことで失点をしなかったのではないかと思います。本当にいいゲームでした。
―40分間で0-0はフットサルという競技の特性上、あまりないことですが、延長戦の前にはどういった声かけをしましたか?
ここまできたら気持ちの部分だ、ということもありましたが、自分たちは3-1のピヴォ当てがあまり機能していなかったのでフィニッシュにいくための話や、横浜の4枚の対応がマンツーマンだったので背後を狙ってチャンスを作るために「きついけど走ってチャンスを作っていこう」という話をして送り出しました。
―今日も清水和也選手と中田秀人選手のホットラインからゴールが生まれました。完成度が高いですね。
カウンターもそうですし、この一年間、練習から取り組んできたことなので、フィニッシュにこだわって打ち切って終わるという練習の成果が現れたのだと思います。
―監督としてのラストマッチが決勝戦ですが、どのようなお気持ちですか?
そうですね。しかも、相手が(古巣の)湘南で、伊久間監督にも本当にお世話になってきましたし、こんなにドラマティックな対戦があるのか、と。僕のためにこの大会はあるのかな、って(笑)。ちょっと言いすぎですかね(笑)? 岡村康平とも話しましたが、湘南への思いを持っている選手もいるなかで決勝で戦えることは本当にうれしいです。
―自ら花道を飾るしかないですね。
そうですね、もうやるだけです。ただ、相手も本当に強く、何が起こるか分からない大会なので、楽しみたいと思います。
―相手も延長PKまで戦い、すみだも延長戦を戦ってタイトなスケジュールになります。お互い消耗した状態で迎える決勝ですが、どちらも関東勢でサポーターも多いチーム同士の対戦です。ファン、サポーターはもちろん、決勝や生中継でフットサルを初めて見る方に向けて、フットサルや大会の魅力、みどころなどのメッセージをお願いします。
3日目なので、お互いに強度の高いプレーはもしかしたら難しいかもしれません。ですが、それ以外の気持ちの部分やワンプレー、ワンプレーに込める思いは現地でも映像でも伝わると思います。それがすみだの強みでもあるので、本当に「チーム一丸となって戦う」。それだけだと思うので、楽しんで見ていただければと思います。
―「選手権といえばフウガ」というような雰囲気はチーム内にありますか?
どうなんでしょうか・・・(笑)。ただ、最終節もそうでしたが、一人、一人がチームのために戦ってくれているので、そうやって取り組んでくれている選手たちは本当に素晴らしいと思います。
―下部組織や女子の大会では大体すみだのチームが出場していますが、トップは決勝などに上がる機会が少なかったと思います。トップチームが結果を出すことの重要性や下部組織の大会でトーナメントを勝ち上がる経験をしている選手が多いことでのメリットはどのように捉えていますか?
一発勝負の戦い方はリーグ戦と異なり、連戦になると戦術面やメンバー構成にも影響が出ます。そういったところを含めてうまく戦えていると思いますし、幼少期からの経験が「勝ち抜く」「勝ち切る」ということにつながっていると思うので、そういった経験は大事だと思います。また、トップが結果を出すことで刺激になるので、下部組織にも伝わればいいと思いますし、「これがフウガだ」ということを今、見せられていると思います。下部組織の子たちには、それを引き継いで戦っていってほしいと思います。
<星龍太選手/フウガドールすみだ>
―40分を戦って0-0とフットサルという競技の特性上あまりない展開でした。試合を振り返っての感想をお願いします。
(レギュレーションで)延長があるなかで、40分間で勝負を決めるというよりはやり方を変えずに戦うということを意識しました。攻撃でもピヴォにきちんと当たっているシーンがあり、フィニッシュまでいけていました。第2ピリオドはファウルがあまり起こらなかったので、そのあたりを考えリスクを排除した戦いのなかで、40分で決めるよりそのまま続けて延長戦の中で決めることも考えながらプレーをしていました。
―そのままの戦い方を続けていればチャンスが巡ってくるという感覚だったのでしょうか?
そうですね。相手は少ない人数で回していましたし、ゴール前までは侵入できていたので、変えようとは思っていなかったです。
―決勝に向けて、3連戦で疲労もあるかと思いますが、どのような形でチームに貢献していきたいと考えていますか?
まずは僕のストロングポイントであるディフェンスの部分ですね。失点を抑えることが勝利につながるし、失点をしなければ負けないので、まずはそこから集中して、あとはゴールに直結するようなパスなどを出したいです。
―失点につながらないプレーというのは具体的には?
攻撃もリスクを考えながら攻めますが、無理にプレーするよりは探りながらプレーをする、失敗をして相手にカウンターを受けないといったことと、カバーリングですね。自分のセットはプレスもいいので、抜かれたときにカバーできれば失点につながらないということを意識しています。
―全日本決勝の舞台は、星選手にとってなじみ深い、経験のある場所ですが、その経験からチームにもたらせるものは何かありますか?
・・・ないんじゃないですかね(笑)。メンタル的な部分で、たとえば僕が後ろにいたら安心だと思ってもらえたり、安定感がほしいシーンで投入してもらったりはあるかもしれません。チームによって決勝の感じ方って違うんですね。僕はずっと名古屋にいたので、勝って当たり前というプレッシャーを受ける状態でした。今回のように「やってやろう」と臨む状況とはまったく違うので、僕も改めて新鮮な気持ちで臨めると思います。
―決勝はどちらも関東勢で、サポーターも多いチーム同士の対戦です。さらに観客が入ることも予想されますし、生中継もあるので、改めてフットサルや大会の魅力、みどころなどを教えてください。
フットサルは攻守の入れ替わりが激しく、ゴールに直結するプレーが多いです。準決勝1試合目の名古屋オーシャンズと湘南ベルマーレの対戦も6-6までいきましたが、合計12点が入るってなかなかないですよね。ゴール前のインパクトは、初めて見る方にもおもしろく見てもらえるのではないかと思います。そこから個々の技術や狭いピッチの中での繊細なプレーを見てもらえると、よりフットサルの奥深さに気づいてもらえると思います。湘南もバチバチ戦ってくると思いますし、僕らもそういった戦いをして魅力ある決勝にしたいです。
―名古屋から戻って1年目で決勝の舞台ですね。
あまりそういう感情はないですかね。もちろん勝つことも決勝の舞台に立つこともうれしいですが、そこに余計な感情を乗せないことが自分の良さだと思っています。フラットな感情でプレーを選択し続けたいです。
―では、相手が名古屋ではないことも気にしていないですか?
もちろん、相手によって戦い方は変わりますが、そこに感情をプラスするかどうかはまた別ですね。僕が諸江選手に次いで上から2番目なので、どちらかというと自分が熱くなるより、みんなが熱くなることをどうコントロールするかだと思っています。その感情の爆発はみんなに任せます。
―(フウガドールすみだの前身の)FUGA MEGUROで2009年に全日本優勝を収めたころとはまったく違う、と。
違いますね。20歳のときは若くて何も分からなくて、寝ないで3連戦して。チャレンジャーでしたし、相手は(名古屋オーシャンズという)プロで強くて、といった状況だったので、あのときはまた特別でした。あのときを知るのは今のチームで僕だけですが、まったく別物ですね。代々木第一体育館に6000人くらいの観客が入っていたころと、この駒沢の雰囲気も違いますし、対戦相手も異なりますし、自分が若かったときといろいろ経験したベテランの状態では感情も違いますね。アマチュアがプロを倒す、という状況はもう味わえませんが、また違った形で勝って違う感情を味わいたいです。
詳しい日程・結果はJFA公式サイトをご覧ください。