名古屋セントラル3日目レビュー:激戦の5試合、プレーオフ進出争いはさらに混戦に

テバオーシャンアリーナで3日間にわたり開催された名古屋セントラル。3日目の25日も第26節の5試合が行われ、会場が大いに盛り上がった。また前日の結果を受けてプレーオフ進出が決定した名古屋オーシャンズには、愛知県サッカー協会・徳田康専務理事よりプレーオフ進出切符が授与され、会場から惜しみない拍手が送られた。

名古屋プレーオフ進出セレモニー

2位町田、名古屋セントラル2連敗で3位すみだとの勝点差が1に

ペスカドーラ町田 2 – 3 フウガドールすみだ
Watch Star of The Match : 諸江 剣語(すみだ)


3日目の初戦も激しい試合となった。2位町田と3位すみだの対戦とあり、両者序盤から一歩も譲らず勝利を目指す。均衡を破ったのは町田。11分に中井健介がボールを奪い、自ら切り込んでシュート。これがすみだGK清家の股を抜いてゴールネットを揺らす。町田が1点のリードを守り、前半は1-0で折り返し。しかし後半開始わずか19秒、すみだは清水和也、稲葉洸太郎と繋いで岡山和馬が同点ゴール。試合を振り出しに戻す。26分にはオウンゴールですみだが逆転するが町田も意地を見せ、本田真琉虎洲が同点ゴール。明暗を分けたのは34分。太見寿人のアシストから諸江剣語が勝ち越し点を挙げると、残り3分を切り町田がパワープレーを開始。ボラ、金山らが積極的にゴールを狙うが決めきれず、マイボールにしたすみだは町田が再度パワープレーに入る隙を与えない。1点のリードを守りきったすみだが3-2で勝利し、順位は上がらないものの町田との勝点差1まで詰め寄った。すみだの須賀監督は試合後の会見で「リーグ優勝するには名古屋との差は開いているが、名古屋の次のチームとして2位の称号がほしい。選手たちはプレッシャーもある中、精神的にもがんばってくれた」と語った。

25諸江

湘南が善戦するも大分勝利で名古屋セントラルを終える

バサジィ大分 3 – 1 湘南ベルマーレ
Watch Star of The Match : 仁部屋 和弘(大分)


拮抗する中位の中で順位以上の実力を持つ大分に湘南が善戦した。6分に浦上浩生が先制。大分も積極的に攻撃を仕掛けるが、先日特別指定選手として承認され、この日スタメン出場したGK上原拓也の活躍もあり、湘南の1点リードで試合が進む。前半終了が近づいた19分、前日の名古屋戦でも値千金の活躍を見せた大分の仁部屋和弘が技ありのシュートで1-1。同点で迎えた後半も両者ゴールを狙うがスコアは変わらず、15分近くが経過。湘南が押し込み、大分ゴールを脅かす時間帯が続いたが、GK青柳佳祐の好セーブにも助けられ大分が均衡を破る。セットプレーからOGを誘発すると、38分には仁部屋が左サイドからゴール右手まで切り込んでゴール。3-1で大分が勝利した。名古屋セントラル2連敗となった湘南の横澤監督、キャプテンの岡村康平はそろって「決定力の差が出た試合」と話し、さらに監督からは「今回の名古屋セントラルにはサポーターがバスツアーを組んで来てくれたのに勝利を届けられず残念。次は結果を残したい」と次節への意気込みを語った。3点すべてに絡んだ大分の仁部屋は2日連続で「Watch Star of The Match」を獲得している。

25仁部屋

ゴールラッシュで5得点の北海道、仙台に快勝

エスポラーダ北海道 5 – 1 ヴォスクオーレ仙台
Watch Star of The Match : 室田 祐希(北海道)


前日の浜松戦で敗戦した北海道が仙台と対戦した。連敗を避けたい北海道だったが、その思いは仙台も同様。まずは仙台が、藤山翔太のゴールで先制する。しかし約1分半で北海道の室田祐希のスピードのある折り返しにダイレクトで合わせた神敬治が同点ゴールを挙げると、前日のフラストレーションを晴らすがごとく、室田祐希、水上玄太、鈴木裕太郎が得点し、4-1で前半を折り返す。迎えた後半25分、室田祐希がこの日2点目となるゴールでリードを4点に広げると、仙台は狩野新をGKにパワープレーを開始。狩野を中心に何度か北海道の守備を崩す動きを見せるが、シュートまで持ち込むことができず、追加点を挙げられないままタイムアップ。5-1で勝利した北海道は1勝1敗、仙台は2敗で名古屋セントラル2戦を終えた。

25室田祐

大阪ヴィニシウス、シーズン最多得点記録を更新するも勝利ならず

名古屋オーシャンズ 5 – 4 シュライカー大阪
Watch Star of The Match : ペドロ コスタ(名古屋)


名古屋セントラル一番の熱い戦いと言っても過言ではない試合が展開された。開始わずか19秒で名古屋が先制。つづく4分には大阪のマークを外したシンビーニャがゴールを決め、名古屋が2点をリードする。しかしここから大阪の反撃が始まった。今季得点ランキングトップのヴィニシウスがシーズン最多得点記録となる39ゴール目を挙げ1点差に追いつくと、19分には前人未踏の40ゴールとなる2点目を決め、さらに20分に第2PKでハットトリックを達成。大阪の1点リードで前半を折り返す。後半も両者チャンスを作り、大阪の森秀太のパスに合わせ、村上哲哉がシュートを放つとこれを名古屋のGK篠田龍馬が胸で防ぎ、名古屋の星がダイレクトで放ったシュートは大阪GK宮竹晴紀がセーブするなど、会場を沸かせる。両チーム、ポストに嫌われるシーンがありながらも、34分に稲田瑞穂が奪ったボールを森につなぎ、最後は田村友貴がゴールを決めて4-2で大阪が2点をリード。しかし王者の名をほしいままにする名古屋が牙をむく。35分、北原亘がGKの股を抜くゴールを決めると、シンビーニャが第2PKを決め4-4の同点に。さらにシンビーニャが得点し、わずか1分足らずで逆転した名古屋は大阪のパワープレーをしのいで5-4で勝利。勝利した名古屋のビクトル・アコスタ監督は「今日の試合は日本でも最高のフットサル。戦術を考え、相手に裏を取られ、また裏を取り、全力で勝利のために戦う、ブラジルやスペインが目指す試合だった。こういう試合に勝てたことは自信につながった」と試合を振り返り、キャプテンのペドロ コスタは「一言で言うと素晴らしい試合だった。素晴らしいフットサル、ショーを展開した大阪を祝福したい。プレーオフで当たったらやりづらい相手だ」と大阪の健闘を称えた。

25シンビーニャ、八木

原田の2ゴールが観客を魅了した神戸が勝利 浜松は初の連勝ならず

デウソン神戸 3 – 1 アグレミーナ浜松
Watch Star of The Match : 原田 浩平(神戸)


名古屋セントラル初日にバルドラール浦安との激戦に敗れた神戸と初の連勝を目指す浜松が対戦した。先制したのは神戸。原田浩平のルーレットからのシュートが決まると会場が沸いた。神戸がこの1点を守り1-0で前半を折り返す。迎えた後半25分、前日「1戦目に勝利したが、神戸戦には新たな気持ちで臨む」と話した浜松のキャプテン、剣持貴充が大野一輝のアシストで同点ゴール。連勝への期待が高まる。しかし29分、神戸の岡崎チアゴがゴールの右手からシュートを突き刺し2-1。つづく31分には先制点の原田が技ありのヒールシュートを決め会場がどよめく。浜松はGKを岩﨑雄大から石黒紘久に交代し、その後、曽根田盛将をGKにパワープレーを開始。それをしのいだ神戸が3-1で勝利し、観客を魅了する2ゴールを決めた原田が「Watch Star of The Match」を獲得した。両者は1勝1敗で名古屋セントラルを終えている。

25原田